
近年、日本において乳癌の罹患率が急激に増加しております。
現在、日本人女性の30人にひとりが生涯の間に乳癌に罹患すると言われております。
欧米では8人にひとりという数になっており、日本も徐々にその数に近づきつつあります。
発症は40代に一番多く、30代も増加の傾向があり、また都市部に多いという特徴があります。
この乳癌の検査には基本的に4つの方法が使われます。
1つ目は触診で、直接乳房を触ってしこりなどを確かめる方法です。
2つ目はマンモグラフィーで、肺や胃のX線検査と同じで乳房にX線をあて、
そのX線の吸収の差をフィルムに写し出すものです。
しかし、乳房は全体が柔らかで組織での吸収の差が少なく、
良い写真を撮るためには専用の撮影装置やフィルムを使用します。
マンモグラフィーでは、他の検査ではむずかしい小さながんを描出することもできます。
また、撮った写真を経過的に比較することによって乳房組織の微妙な変化がわかります。
乳房を片方ずつフィルムを入れた台と透明なプラスチックの板で
上下や斜めなどからはさんで撮影します。(圧迫といいます。)
乳癌の5%程度に認められる非触知乳癌(しこりのない乳癌)を発見するということがあります。
これらはマンモグラフィーでは微細石灰化巣として摘出されます。
3つ目は乳腺超音波検査です。
エコーとも呼ばれるこの検査は乳房に超音波をあててその反射の様子を映像にして見る方法です。
乳腺組織の発達した方では超音波の方が癌検出にすぐれている場合もあります。
10%程度の乳癌がマンモグラフィーのみでは見落とされる危険があります。
マンモグラフィーとともに超音波検査を乳癌診断に組み入れることをおすすめします。
4つ目は精密検査となりますが、穿刺吸引細胞診検査です。
しこり等認める場合細い針をしこりに刺して細胞を吸引し、顕微鏡で悪性良性を調べる方法です。
この4つの検査方法を臼井にしざわクリニックでは行っております。
触診、マンモグラフィーは予約なしで診察時間内でやっておりますが、
超音波検査、細胞診検査は予約診療となっております。
触診を必ず初めに行ってしこりの有無を確かめ、それからマンモグラフィー検査、
超音波検査の順で検査をすすめます。